徳風棗

茶道では、

◯◯お好み

という言葉が、よく使われますが、茶人や代々お家元は、様々なお道具を好まれました。

そこには、その方の人となり、歴史的背景など感じる事が多く、今月10月は、【徳風棗】を使ってお稽古いたしました。

 

このお棗は、玄々斎好みで、【徳風】という言葉は、

【君子の徳は風なり、小人の徳は草なり。草之に風を上うれば、必ず偃す。】

という論語からきています。

徳のある風と、それに導かれ、風になびく草。

棗蓋表には、【一粒万倍】とかかれ、

蓋裏には、今にも弾けようとする籾(もみ)が9粒。

 

無事稲刈りの季節を迎え、【一粒万倍】に実ったお米をいただける事のありがたさを改めて感謝いたしました。

旧一路庵前の田んぼも、稲が立派に実り、収穫の日も間もなくの様です。