鵜籠と未央柳

おもしろうて やがてかなしき

           鵜舟かな(松尾芭蕉)

かがり火を焚き、華やかな鵜飼。

でも、華やかな鵜飼が終わったあとの寂しさ、そし

てせっかく捕まえても食べることもできず吐き出さ

れる鵜

松尾芭蕉が詠んだ意味とは違った解釈だそうです

が、その気持ちわかるわかる〜と変にサラリーマン

のお父様たちが共感を得る句のようです!

これは、鵜匠の使う籠にちなんだ鵜籠

花は、未央柳

名前の由来は楊貴妃の眉にもちなんでいるという説が。

 

宗全籠で

 

宗山籠

 

利休より少し後の時代、久田宗全

という茶人が手作りで編んだ籠が

この形だったそうです。

花は野にあるように

という教えてがあるように、野に

咲く花の美しさを引き立てる籠と

して、今もこの形が好まれます。

花🌸(虫?)よりだんご🍡

蛍籠のお話を続けて二回させて

いただきましたが、何と言って

も、これが一番の喜び??

和菓子のご銘は  河辺の蛍

小豆のホタルに金箔の蛍の光!

河辺のイメージは、葛で!!

      大変美味しく頂戴いたしました!

 

 

 

 

 

 

 

蛍籠 その2

この蛍籠は、ちぎり絵で作られた作品です。

月曜日クラスのY川さんのおばあさま、はまさんの作品で、なんと、

御歳110歳になられます。

数十年前の作品だそうですが、それでも凄い!!

今もご健在、家で5世帯同居!!

お茶室では季節ごとにはまさんの作品を飾らせていただいております。

皆さんが、長寿と健康にあやかれますように!

 

 

蛍籠

6月のお稽古、最初のテーマは

炭斗(炭手前する時の籠)も、蛍籠で。

淡々斎のお好みで、緑の蚊帳と、赤の縁取りとが涼しげで、中に見えるお炭を蛍に見立てたのでしょうか?

唐衣


唐衣  からごろも

老松製

5月に気品高く咲くお花、杜若(カキツバタ)

は、唐衣〜からごろも〜とご銘が付けられ、

この様な素敵な和菓子にも作られます。

その由来は、平安時代、超イケメンで有名な在原業平が、京を離れ、寂しい思いで東下り(平安時代は、東京へは下りなのですね)をしている途中、今の名古屋あたりで、たくさん咲いているカキツバタの花が妻の衣にそっくりで、恋しくなって詠んだ歌

からごろも  きつつなれにし  つましあれば  

はるばるきぬる  たびをしぞ思ふ

(都には長年慣れ親しんだ妻がいるので、はるばると遠くここまでやってきたこの旅路を悲しく思うことだ)

この歌のすごいところは、ここにからごろもという言葉が密かにちりばめられているところ。

例えば、からごろもの、きつつなれにしの、という具合に、それぞれの句の冒頭だけよむとか-き-つ-ば-たになる。

すごい!びっくり!

そこから、カキツバタのことを、唐衣とよばれるようになったそうです。

プレバト俳句、名人クラス!!

お稽古の茶花も、カキツバタを

 

 

 

岩根のつつじが

緑、清々しい葉の中に、花が咲く美しさ

岩根のつつじ  という素敵な表現をいたします。

この様に、お菓子も、目に鮮やか!


つい先週、一路庵のお玄関も

岩根のつつじ

ですよとお話をしておりましたのに、


今日はもうこんなにも満開に


あっという間に、季節が移り変わりますね。

芍薬の花

先週のブログで、小野小町と芍薬の、悲しいお話をさせていただきましたが、

99本の芍薬を小野小町に渡した深草中将、

あと一本渡せたら恋が実ったのに、その前に亡くなってしまいます。

でも、後1本渡せなかったこそ、今も美しい物語として語り継がれているのかもしれません。

秋田美人で有名な、秋田県小町塚では、華やかな小町祭りが行われるそうです。


                            湯沢市のホームページより

一路庵のお玄関も、芍薬が花を添えてくれました。

虎が雨

5月28日になりました。

ちなみに、旧暦の5月28日にはよく雨が降るといわれ、その雨は、虎が雨と名付けられています。

曽我兄弟の敵討ちの話は、日本三大敵討ちの話として有名ですが、主人公である曽我十郎は、無事父の敵を討っ

たはものの、返り討ちで亡くなってしまいました。

そして、その恋人である虎御前が、悲しみ、嘆き、流す涙を虎が雨。

実際、旧暦のこのころは、とてもよく雨が降るそうです。

旧暦5月28日は、新暦では6月22日のようです。

虎御前は、今も曽我十郎を思い続けているのでしょうか?